そのオフィスチェア、JOIFAマークの表示はありますか?

 オフィスチェアの耐久性について考える際には、まず大前提として、そのチェアを製造したメーカーがJOIFAに加入している事を確かめておく必要があります。JOIFAが設けている基準は、オフィス家具におけるJIS規格に相当するとご理解いただいて概ね間違いありません。(厳密にはオフィス家具分野にもJIS規格が存在していますが、JIS規格よりも基準が厳しいJOIFAの方が一般的に通用している状態です。)安全性や耐久性をしっかりとテストし、自社で設計製造しているメーカーであればJOIFAの会員名簿に必ず名前が挙がっています。また、ハーマンミラーやスチールケースなど、海外オフィス家具メーカーの日本法人や代理店も、すべて会員名簿に入っています。



 JOIFAによると、オフィスチェア(回転椅子)の標準使用期間は8年であるとされています。体重70㎏の人が年に250日・1日に8時間着座する事を想定しています。JOIFAマークの表示がないチェアは、この基準を満たしていないという事になります。表示があるチェアに比べると、耐久性に著しい差があると思ってよいでしょう。





※JOIFA:Japan Office Institutional Furniture Association(一般社団法人日本オフィス家具協会)



オフィスチェアの無償保証期間について

 さて、JOIFAは先述の通り、オフィスチェアの標準使用期間を8年としています。また、オフィスチェアの法定耐用年数も8年です(主として金属製であるものではないとして)。ただし、これらはオフィスチェアの品質保証期間を8年としているわけではありません。各メーカーともJOIFA顧客対応ガイドラインに基づき、3段階の無償保証期間を設けています。



 無償保証期間の内容は次の通りで、起算日は購入日になります。



外観・表面仕上:1年 塗装および樹脂部分の変褪色、レザー・クロスの摩耗

機構部・可動部:2年 昇降機構などの故障

    構造体:3年 強度・構造体に関わる破損



これらは該当のオフィスチェアがJOIFAの定める環境条件および使用条件下で使用され、通常のメンテナンスが行われている事が前提となります。



 なおこれらは日本国内メーカー製品に関しての場合であり、海外メーカーはより長い無償保証期間を設けている場合があります。アメリカ・スチールケース社のLeapチェアに関しては上記の1年・2年・3年が、それぞれ3年・5年・8年に拡大しているイメージですし、同じくアメリカのハーマンミラー社アーロンチェアに至っては、正規代理店を通じての新品購入であれば、12年という無償保証期間が設けられています。国内と海外とではメーカー無償保証の事情が少々異なるようです。



耐久性の差

 では、購入から3年を過ぎたオフィスチェアには、物によって耐久性にどのような差が表われるものでしょうか? “耐久性”を少し分解してみると、“壊れにくさ”と“直しやすさ”になります。



 “壊れにくさ”には、機構と素材とが大きく関係します。

 昨今のオフィスチェアは様々な調節機能が搭載されていますが、機構が複雑であれば、それだけ壊れやすいという事がいえます。多機能のチェアは、自分の体格とワークスタイルに合わせたポイントをいくつか見つけておき、調節の頻度を少なくする工夫が必要だといえるでしょう。

 素材については、構造材と座背面とがあります。構造材は、JOIFA基準を満たしているオフィスチェアであれば、それなりのものが用いられていると思われます。一方、座面・背面のクッションやメッシュの素材は、何が用いられているかを事前にチェックしておいてもよいかもしれません。一般的にはスラブ形成よりモールド形成のウレタンフォームを使っている方が耐久性が高いといわれています。低反発性のものは、ゆったり休むのにはいいですが、へたれやすく長時間の作業用には向きません。素材の説明がウレタンフォームとだけしか書かれていない場合は、すぐにへたるスラブ成形の軟質ウレタンフォームが使われている傾向があります。メッシュについては、ポリエステルメッシュ→3Dファブリックメッシュ→エラストメリックメッシュの順に耐久性が増します。



 “直しやすさ”には、そのチェアの構造と普及度が大きく関係します。

 座背面がユーザーさまでも簡単に取り外しができ、さらに、クッションカバーとクッションとも取り外せるなら、チェアの美観を保つのは比較的容易です。座背面が取り外せるだけでも、新品の座背面を買い入れればやはり美観を保てます。そしそうでなければ、座背面に一定以上に汚れがたまった場合、チェアの洗浄には専門の業者へ依頼する必要が出てきます。

 チェアの普及度についてですが、流通量が多いチェアであれば、キャスターやアームレストやコートハンガーなどのパーツの、パーツ単位での取り寄せが容易である可能性が高いという事になります。つまり、小さな破損ならユーザーさまでも部材の交換がしやすいのです。



 以上を総合しますと、主要メーカーが販売しているオフィスチェアで最も耐久性が高いのは、各社とも1995年ごろに揃って発売している、超ロングランシリーズであるだろうといえるでしょう。



終わりに

オフィスチェアには取扱い説明書が添付されています。

よくご参照の上、どうぞ末永くお使いくださいませ。

正しくお使いいただいた時に、チェアは最大の耐久性を発揮いたします。