日本の国民病、腰痛・肩こり

 日本は肩こり大国です。かつ、腰痛大国でもあります。日本における肩こりと腰痛に共通するのは、日本人口の大半が生涯に一度以上は訴えるのに、病院にかかってもその原因は特定されず、健常であると診断されがちな点です。

 腰痛そのものは世界的に起こっている病態です。これは人間が4足歩行から2足歩行へと進化したために発している宿命といわざるを得ないでしょう。米国では日本と同じように腰痛を訴える人が多く、かつ、症状を訴える人数に対して何らかの対策によって改善したという事例が、まだ少ないといいます。一方欧州では、1970年代から始まった腰痛予防策以降、症例が激減したといいます。

 あくまで一般論として述べますが、肩こりも腰痛も、恐らくは全身的な筋肉(の使用)の偏りや、腰部周辺の局部的な血流不良などが根幹的な病原となっているのだと思います。ですのでこの点においては、肩こりや腰痛の緩和には、定期的な体のメンテナンス(ストレッチや運動など)が欠かせないといえます。





 これを踏まえた上で、長時間着座したままで執務する事になるオフィスの場において、オフィスチェアに腰への負担をいかに軽減する機能が備わっているかをご紹介したいと思います。

腰痛緩和機能その1 座面高さ調節

 第一に、座面高さ調節機能。これはいうまでもないでしょう。ユーザーさまの体格と、デスクの高さから、最適な執務姿勢が取れる高さにご調節ください。

 欲をいえば、チェアもそうですが、お使いのPCモニターも上下角度調節ができると望ましいといえます。モニターと不自然な角度で向かい合っていると姿勢も不自然になるため腰痛を誘発します。

腰痛緩和機能その2 チルト機能

 第二に、チルト機能はついているか。チルト機能とは、座面や背面を前後方向に傾けられる構造をいいます。座面が水平だと、自重荷重は腰まわりにダイレクトにかかるため腰痛の原因になります。座面がやや前傾していると、自重荷重の一部を膝やくるぶしに逃がすことができ、腰への負担を減らす事ができます。また、もし座面の前傾に背面も連動するなら、体と背面に隙間ができる事を回避されるので、前傾姿勢になりつつ、体重の一部を背面に預けられます。これはフル装備タイプのアーロンチェアに搭載されている機能です。

 デスクワークに集中すると人間の体は前のめりになりがちなため、チルト機能は重要です。

腰痛緩和機能その3 背座連動リクライニング

 第三に、背座連動リクライニングはついているか。背座連動リクライニングとは、背面をリクライニングさせた時に、座面が連動して前にスライドし、背面座面が同調した位置でロックできる機能です。背面が後ろに傾くと、人間のお尻は丸みを帯びていますから、体重がかかる点が移動します。この移動した先に座面の最も座り心地のよい点も移ってくれれば、自重荷重も安定することになり、腰痛の発生が緩和されます。

腰痛緩和機能その4 ランバーサポート

 第四に、ランバーサポートはついているか。ランバーサポートは元々自動車の運転席向けに開発されたのが発祥で、長時間の運転による腰部への負担を緩和するために考案されました。人間の背骨はS字カーブを描いています(人によってカーブの程度に差はありますが)。腰椎のすぐ上のあたりは、背面にもたれかかっても背面に接せず、隙間が空いてしまう場合が少なからずあるのです。この隙間を埋めて、より広い範囲で背面への荷重を支える装備がランバーサポートです。
 大まかには以上の4つです。もっと大きくいうなら、座背面の形状や素材も腰痛緩和に関わりますでしょうし、可動するタイプの肘もうまく使えば腰痛や肩こりに有効です。また細かくいうなら、もっと専門的な工夫がなされている製品もあります。日本のメーカーは、日本人の多くが悩む腰痛・肩こりを熟知しているのです。

 中古市場の店頭には様々のチェアが並んでいるかと思います。ご機会がありましたら、ぜひ色々と試座されてみてください。