オフィスチェアにはキャスターが当たり前?

 我々は普段、何気なくオフィスチェアを使っています。現代、オフィスチェアのキャスターは60㎜φ前後が一般的で、大きなものでは75㎜φ前後になります。オフィスチェアのキャスターには大きくナイロン製双輪キャスターとゴム製単輪キャスターとがあり、現在ではナイロン双輪キャスターがより普及している傾向があるようです。

 もしオフィスチェアにキャスターがなければどうでしょう。想像するに、だいぶ不便になりそうです。メーカーのカタログを参照すると、シリーズにもよりますが、キャスターを固定するスペーサーや、キャスターの替わりに固定式の脚を取りつけられるオプションが用意されてはいます。しかし、これらは中古市場ではほぼ見かける事がありません。



 現代では「オフィスチェアにはキャスターがついているもの」という認識が常識的になっているようです。



ナイロン双輪キャスターの登場

 ナイロンというと繊維としてのナイロンを思い起こされる方も多いと思います。ここでいうナイロンとは「ナイロン樹脂」をさしていると思われます。ナイロンはポリアミドと呼ばれる高分子の一種で、ポリアミドはエンジニアリングプラスチックという汎用性の高い素材の一翼とされています。エンジニアリングプラスチックの実用・工業化は1970年ごろ、日本での実用化は1980年代になります。

 ナイロンは摩擦係数が小さく、耐摩耗性と自己潤滑性に優れます。強靭な材質で柔軟性・消音性もありますが、弾性がないため床面の凹凸による振動が発生します。硬いという点は歪まないという特性にもなり、摩耗に弱いゴムキャスターでは不可能だった双輪を実現、より軽やかな動きが実現されています。



 中古市場に流通しているオフィスチェアのキャスターは、ナイロン双輪が主流のようです。ただし、ナイロン双輪にも弱点があります。Pタイルのような硬い床ではキャスターが滑りすぎますし、木質のフローリングには傷をつけてしまいます。こういった床でのご使用には、ゴム製やウレタン製のキャスターが適しています。フローリング床でナイロンキャスターのチェアをご使用になる場合は、床を保護するチェアマットも市販されておりますのでご参考ください。



終わりに

 「オフィスチェアのキャスターは消耗品である」とご認識されてよいと思います。特にナイロンキャスターは硬いため、接地面積はほぼ点に等しいのです。オフィスチェアの重量にユーザーさまの体重を加えた重さを、わずか5点で支えています。ナイロンキャスターの場合、点にかかる荷重を26㎏/cm2とする計算もあり、これは同計算によるフォークリフトの10㎏/㎝2を大きく上回っています。



 各メーカーともキャスター単品での販売を行っておりますので、必要に応じてお問い合わせください。