リープチェアはアーロンチェアの対抗馬?



リープチェア(レッド)
リープチェア(レッド)


  人間工学を駆使して開発された高機能チェア、その代表格のひとつに位置づけられるのが今回ご紹介します、アメリカsteelcase社のリープ(Leap)チェアです。

 なぜリープチェアが数ある高機能チェアの中でも指折りに数えられるのかといえば、その秘密は流通力にあります。総合的な機能性では、リープはさすがにあのアーロンチェアには及びません。ですが、新品でも中古でもリープはアーロンよりずっと安価に販売され、かつ、その安価に対してコストパフォーマンスがとても高いのです。これがリープチェアの根強い人気を支えています。

あなたの背中が動くように背面が動きます。

 では、リープチェアの中身を見ていきましょう。先にひとつ前置きしますと、よく描かれた曲線を持つチェアは、それだけで、どのような体格・体型のユーザーさまが着座しても、どのユーザーさまにも一定の座り心地を提供するものです。そしてリープチェアの曲線は、“一人ひとり固有の背骨の形と動きを真似するように”デザインされています。この点がリープチェア最大の特徴であり、実装されている各種の機構は、この持ち味をより活かすために備わっている形です。



 リープチェアの背面フレームは、曲面を描く一枚の樹脂板です。このフレームは、上半身と腰部とに、異なった反発圧力を返すよう設計されています。かつ、上半身部分と腰部部分とが連結する箇所には、横方向のスリットが複数走っており、湿気を逃がす機能を持ちつつ、連結部の応力を吸収するスプリングの役割も果たします。この1枚の背面フレームが、リープチェアの背骨であるといっていいでしょう。



 リープチェアの公式パンフレットがあります。英語の原文に、とても音韻のいい文章を見つけました。字面が整った日本語訳版もありますが、もう少し原文の調子を残して訳してみましょう。

「あなたの背中が動くように、リープの背面が動きます。

 あなたの腕が動くように、リープの肘かけが動きます。

 あなたの座りが動くように、リープの座面が動きます。

 リープチェアは、あなたの背骨の形と動きに合わせて

 形を真似し動きを助ける世界初のチェアです。」

人の背骨がリープの背骨

 リープチェアの開発にあたって、研究チームが“座る”事に伴う背骨(から骨盤にかけて)の振る舞いに関して重要視した事は、次の4点に集約されます。以下、公式パンフレットから一部補足して引用します。



1.背骨はひとつの(固定された)ユニットとしては動かない。

2.背骨のカタチと動きは一人ひとり異なる。

3.背骨の上部と下部とでは必要なサポートの量と種類が異なる。

4.背中をリクライニングさせると骨盤は前に動こうとする。



これらを踏まえた上で設計されたのが背面フレームであり、これをより効果的に活かすために、ランバーサポート、背面下部強度調節、背面上部テンション調節、座面奥行き調節、肘かけ高さ・横幅・角度調節、5段階リクライニング調節、ナチュラルグラインドシステム(リクライニングに連動して座面が前にスライドする機構)などが備わっています。

リープのバージョンと中古市場での流通傾向

 さて、高機能チェアとして長い歴史を持つリープチェアですが、生産された年代によってバージョンに違いがあります。日本国内で販売されたモデルは大まかに6つを数えます。

 初期シリーズ3つはアメリカンサイズの大きなものだったようです。現行品はV2と呼ばれていて、時系列順にHDタイプ・HD-2タイプ・V2タイプのリープチェアは日本人の体型に合わせたサイズになっています。

 中古市場で流通しているのはほぼHD以降のタイプです。このうちHDおよびHD-2は肘かけパッドが劣化しやすく、パッドだけの取り寄せ(輸入)は可能ではありますが意外と高価、といった弱点があります。その一方、HD系は座背面の着脱が容易なため、座背面の布地をそのまま洗濯できるという点は大きな強みです。V2タイプは一工夫しないと座背面の着脱ができないようになっています。

おわりに

 日本での輸入代理店は内田洋行・クロガネ・WSIの3社になります。

 ご機会がありましたらぜひご試座ください!