敢闘の多機能オフィスチェア、レビーノ

 レビーノチェアは、2013年現在ではカタログより廃盤となっていて、販売も終了となっています。しかし2008年のカタログにおいては、オフィスチェアの項目で、スピーナチェアに次ぐ二番手に掲載されていました。当時のユーザーレビューを見てもレビーノは概ね好評であり、惜しまれつつの降板であった事が伺われます。今後は中古市場まで含めて、流通量が減少していくものと予想されます。在庫に出会う機会があれば、幸運といえるでしょう。



 オフィスチェアの製品ライフサイクルは確かに短い傾向がありますが、2008年時点で二番手にいたチェアが、5年以内で廃盤化という展開は少々驚きを禁じえません。機能性の高さを考えると、レビーノはもっと息が長くてもと思います。レビーノはランバーサポート操作レバーの形状が独特であった点でも、一風変わったデザインのチェアを送り出すイトーキらしさを体現していたといえます。





イトーキの大ナタ

 主要各メーカーとも、オフィスチェアに関して平均して1年に1シリーズを新たに発表しており、ほぼ同じペースで従来品を廃盤化しています。その中で、イトーキ総合カタログの2008年度版と2012年度版とを見比べてみると、4年の間に8シリーズが廃盤化され、7シリーズが新たに掲載されています。掲載順を調べてみると、2008年度版で二番手だったレビーノが抜けた箇所に、ヴェント・コセール・エフ・エピオスらの新シリーズが連なって掲載されています。同時に、2008年度版でオフィスチェア項目の終盤を飾っていたドーサル系など6シリーズが一挙に廃盤化、それで空いた箇所に2012年度版では従来品の中堅シリーズが整理し直され、空いた中堅箇所にはやはり新シリーズが複数掲載されています。



 他メーカーの総合カタログを同様のスパンで調べてみると、イトーキほど大胆な刷新は行われていません。イトーキからすればレビーノを販売し続ける道もあったはずです。恐らくはイトーキが、新シリーズらとのカニバル(食い合い)を嫌ったのでしょう。カタログ上でレビーノが占めていた箇所には、4つもの新シリーズが育ちました。巨木を倒して若木を育てる光景が思い起こされます。レビーノの存在感が偲ばれますね。



レビーノの性能

 レビーノは現代的な多機能オフィスチェアに求められる各種の機能を、概ね満たしていたといえます。それでいて、主要メーカーが送り出す多機能チェアとしては比較的安価でした。ヘッドレストと可動肘をつけてもカタログ価格で14万円ほど、実売価格では同品が10万円を切る事もあったようです。



 一方、難点もいくつかありました。第一に、アームレストが小さめに作られており、背面を最後傾すると手が届かず使いづらかった事。第二に、座奥調整ができなかった事。第三に、ロッキング強弱調整ダイアルが使いづらい箇所にあった事。第四に、各種の調節レバーやダイヤルなどに、わかりやすい表示がなかった事。などです。

 これらの課題は、前述のヴェント・コセール・エフ・エピオスらでしっかり改善されているようです。



おわりに

 イトーキのオフィスチェアは独創的な形状をしている事がままありますが、レビーノはその中でも印象に残る外観をしていました。市場から姿を消していく事を寂しく思います。もし幸運にもレビーノを見かけるご機会がありましたら、ぜひご試座ください。イトーキの一時代を支えたレビーノです。