Windows95、そしてPCオフィス時代の到来

 96年製のロングセラー商品、オカムラチェアの標準のひとつとも呼べるSXチェアについて解説します。なおSXと関連してCXにも言及しますが、本ページにおけるCXは無印のCXであるとご理解ください。CXにはCXスプレージやCXグランデといった派生シリーズがありますが、今回は触れていません。



 SXに先立つ95年、SXの姉妹作であるCXが発売されています。95年ごろといえばWindows95が発売された時期と一致します。Windowsにより、それまで専ら一部の技能職のかたが用いていたPCが、広く一般に普及するという劇的な革新がもたらされました。この変化は、世間一般のオフィスにも同様に波及しました。人ひとりにPC1台という時代が、オフィスにも到来したのです。

PC時代のオフィスチェア、SX・CX

 CXとSXは、「オフィスでPC業務に就くカスタマー」を意識した量販チェアであるといえます。



 オプションで選べる肘は3種類あり、そのうちのひとつは肘かけの高さや水平角度を変えられるアジャスタブルアームです。肘パーツはボルトで簡単に着脱ができ、また、CXとSXとで互換します。当時オカムラの従来製品では、肘のバリエーションも多くなく、着脱も簡便ではありませんでした。CXとSXの普及に伴い、オフィスチェアの肘(アームレスト)もまた普及し、カスタマーはPC作業に疲れる腕を時折り休められるようになったのです。

 余談ですが、キータッチを仕事とするカスタマーへのオカムラの配慮は、これが初めてではありません。1953年製「2204」シリーズは当時技能職だったタイピストに向けて開発された製品でした。その頃からノウハウを蓄積し続けてきたオカムラが、PCの普及に合わせて満を持して世に送り出したチェアがCXとSXであるといえるでしょう。



SXチェア



 また、CXとSXは人体工学の研究成果である「エルゴノミクスチェア」でもあります。オカムラの登録商標である、足首を支点に自然な姿勢でリクライニングできる「アンクルチルトリクライニング」機構を標準搭載しています。アンクルチルトはCXの先行作であるFC-9チェアから実装されています。
 なお、SXの取扱説明書には、肘パーツの着脱方法の他に、座面クッション・背面クッションの交換方法に関する記載があります。クッションが汚れたり破れたりした場合には、新品のクッションを取り寄せて交換ができる、というわけです。ですが、SXの座背面の取り外しは、意外に手こずる作業です。SX・CXのクッションが著しく汚れた場合には、専門の業者さまにクリーニングをご依頼される事をご検討ください。

 

おわりに

 中古市場でも、SX・CX双方、頻繁に流通しています。これらのシリーズがいかに普及しているか伺えます。ご機会ありました際は、ぜひご試座くださいませ。